お正月飾りに 大正レトロ めでたい裏勝り 富士三景 黒羽二重羽織

明治20年生まれの祖父が遺した羽織です。金物商を営んでいた祖父が旦那衆の集まりに着用したものと伝わっています。 黒羽二重の表地を返すと、巧みな織りで表現された富士三景が配されています。まさに、おめでたい裏勝りの商人羽織です。 「裏勝り」とは：江戸幕府の奢侈禁止令（贅沢を禁じる政令）により、商人を中心に表地より裏に贅をこらした粋な美学です。 祖父は昭和6年＝西暦1931年に他界していますので90年越えのヴィンテージです。祖父の長女で大正、昭和、平成、令和と102歳まで長生きした私の叔母が桐たんすの中で大事に保管していました。虫食いも色あせもなく、90年ヴィンテージとは思えないコンディションです。 写真①昨年のお正月、我が家では「裏勝り」の富士を見せ、正月迎えのタペストリーとして飾りました。 写真②・③裏地は濃い茶の正絹生地。黒と茶の渋いコーデ。 写真④・➄2種類の富士景色もプリントではなく富士の雪や帆掛け船、波、海鳥などが織りで立体的に表現された光沢のある正絹地。 写真⑥茶色の正絹にも単色刺繍で松原から望む富士山が描かれています。 写真⑦・⑧・⑨表地は正絹の黒羽二重。両肩と背側の上部に家紋の丸に沢瀉紋が染め抜かれています。 ⑩江戸の深川芸者は男物の黒羽織を羽織るのが粋とされ「羽織芸者」とも呼ばれました。この絵は志村立美作が深川芸者をモデルに描いた「木場」という作品。丈も長めなので女性が羽織っても素敵だと思います。 サイズ　羽織丈　103㎝ 　　　　裄丈　　65㎝（背中心から袖口まで） 　　　　袖丈　　54㎝ 　　　　袖幅　　32㎝ 　　　　袖口　　26㎝ 祖父は豪商ではありませんので決して贅を尽くしたものではありません。けれど、見れ菜見る程、この羽裏には、当時の着物職人さんたちの丹精込めた仕事が詰まっているように感じます。東京から京都に引越し、家が手狭になり手放すことにしましたが、大事に楽しんでくださる方にお譲りしたく、あえて価格はつけていません。ご希望額も含め、メッセージいただけますと幸いです。